東京都港区三田の鍼灸院。最寄り駅は三田、白金高輪、田町、麻布十番です。
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ターンアウト改善について知っておきたい5つのこと


バレエを踊るときに、ターンアウト(アンドゥオール)は欠かせません。

 

先生から

「もっと股関節を開いて!」

「内ももを使って!」

「足だけで回さない!」

と、色々なアドバイスを受けると思います。

 

でも、もしかしたらあなたは「何がターンアウトの正解かわからない^^;」と悩んでるかもしれませんね。

 

ここではターンアウトの改善について、よく聞かれることと、あなたが知っておくと役立つものを5つにまとめてみました。

 

 

【もくじ】

 

(0)ターンアウトとは?

(1)解剖学的なターンアウトできる限界

(2)ターンアウトでやってはいけない事とは

(3)股関節柔かければターンアウトできる?

(4)なぜターンアウトが必要なのか?踊るときのメリットは?

(5)ターンアウトする4つのメイン筋肉と、踊りで使うときのヒント

 

 

ターンアウトとは?

 

ターンアウト改善の前に、『そもそもターンアウトってどんなことするのか』わかってないとやりようがないですよね?ここでは、ターンアウトについて大まかにお話します。

 

 

 

 

 

ターンアウトは脚を横に開くことではない

 

ターンアウトは、ただ股関節を開く運動じゃないんですね。

解剖学的にいうと股関節の外旋(開く)+αです。

 

+αとして、

  • 床を押す動き
  • 開き具合をコントロールするため内旋(閉じる動き)

も入ります。

 

後でお話しますが、ターンアウトするには色々な筋肉をバランス良く使う必要があります。

これができないと、膝下をねじる動きが入るため膝のケガにつながることが多いんですね。

 

また、腰の使い方も重要です。腰が落ちた状態でターンアウトしていると足の付け根を痛める原因にもなります。

 

これらをレッスンで修正しながらターンアウトを改善していくんですが、実は人間の構造上、ターンアウトできる範囲には限界があります。

 

ターンアウトできる限界〜4つの解剖学的な条件〜

 

ターンアウトできる限界はどこで決まるのか。

人間の構造的な限界から考えた条件を重要な順番で並べると次の4つになります。

 

  1.  大腿骨(大腿骨の形と、骨盤に収まる角度)
  2. 骨盤(大腿骨がはまる所の向き)
  3. 股関節周りをカバーする靭帯(じんたい)の弾力性
  4. 股関節と太ももの筋肉の柔軟性

 

つまり、股関節周りの構造がターンアウトの限界を決めています。

 

このなかで、自力で改善できるのは④股関節周りと大腿の筋肉の柔軟性だけです。①〜③は自分の努力ではどうにもなりません。お子さんの場合は、11歳までは骨が成長するので①大腿骨の形も変わります。

 

こう聞くと、「よし!たくさんターンアウトの練習しながら柔軟性を上げよう」と思うかもしれません。でも、ターンアウトはただ足を開く運動ではないので、やっちゃいけないことがあります。

 

ターンアウトでやってはいけない事とその理由

ターンアウトというと、足を開いたポーズをイメージすることが多いと思います。でも、ターンアウトはポーズ(静止)ではなく、ムーブメント(動き)なので、動いたときに残っていないといけないんですね。

やってはいけないのは、股関節や太ももをほとんど使わないで足からターンアウトすることです。

一見、止まってると形はできてるように見えます。でもこれだと動いたときにターンアウト消えちゃうんですね。さらに、必要なところを使ってないので、体の色んな所に悪影響が出ます。

 

 

足からターンアウトすることで悪影響がでる部分

  • (←これが一番大変です)
  • 重心の位置(後ろにズレます)
  • 骨盤の角度(タックインするので、無理やり前にしようとして出っ尻にも)
  • 背骨の弯曲

 

股関節、太ももを使うのがターンアウト上達の近道です。

 

でも、ここに落とし穴があります。

 

「よし!股関節周りをいっぱいストレッチすればいいんだ」と思いがちですが、股関節周りを一生懸命に伸ばしすぎて他とのバランスがとれないと股関節の靭帯にダメージを与えます。

 

特に、大人になってからバレエを始めた方の場合は要注意です。足の付け根を痛める原因になります。

 

こう聞くと、「やっぱり股関節柔らかい方がターンアウトしやすいのかな」と思うかもしれませんね。でも、実はそうでもなかったりします。

 

股関節柔らかければターンアウトできる?

バレエを踊るなら180度の開脚に憧れますよね?左右に脚を開いて床に胸がつく姿をイメージしない日はないかもしれません。


では、股関節が柔らかければターンアウトしやすいのか?

 

 

実は、股関節が柔らかい事とターンアウトできる事は、思ってるほど関係ありません。

 

 

たしかに股関節が柔らかいと開きやすいです。でも、ターンアウトをする筋肉をきちんと使っていなければ、すごく開いていたとしても、ただ股関節を開いてるだけになってしまいます。

 

逆に、そこまで開けなくても、きちんと体が使えたターンアウトができると、胴体の両脇が中心から両サイドに広がる感覚が出て、頭のてっぺんから足まで右半身と左半身が互いにバランスを取り合ってくれます。

 

つまり、必要なのはバレエの動きに合わせて使える範囲で股関節を開くことです。ターンアウトはムーブメント(動き)。どんなに股関節が柔らかくて開けても、動くとターンアウトが消えちゃうのでは意味がありません。

 

悩みの種でもあるターンアウトですが、これが踊るとき大きなメリットになります。どんなメリットがあるんでしょうか?

 

なぜターンアウトが必要なのか?踊るときのメリットは?


ターンアウトをすることで、

 

  • 足が横や後ろに高く上がる
  • どの方向でもスムーズに動ける
  • 足の安定性が増す
  • 長くほっそりとした脚になる

 

といったメリットがあります。

 

太ももの上にある出っ張り(大転子・だいてんし)を後ろに引っ込めることで、脚の動きを邪魔しなくなる分、足を横や後ろに高く上げるようにできます。

 

どの方向でも同じようにスムーズに動けます。バレエ以外のダンスでもターンアウトを取り入れているところが多いのは、こんな理由があるからです。

 

ターンアウトすることで足首の安定性が増します。

 

脚全体で回るきちんとしたターンアウトができると、長く細い脚が手に入ります。逆に、ターンアウトをちゃんとしないでレッスンをやっていると、太くてたくましい太ももが出来上がります。

 

では、そんなたくましい太ももを作らずにほっそりした脚を手にいれるにはどの筋肉を使えばいいんでしょうか?

 

ターンアウトで使う4つの筋肉と踊りで使うときのヒント

ターンアウトで使う筋肉

【ターンアウトでよく聞くアドバイスとそのとき使う筋肉】

 

「お尻の奥の方を使って股関節回して」→深層外旋筋


「もっと内もも使って」→ハムストリングス外側、内転筋群


「かかと前に出して」→内転筋群

 

 

ターンアウトするときは、次の4つの筋肉をメインに意識すると良いです。それ以外にも筋肉はありますが、他はターンアウトのサポートです。

 

  • お尻の奥にある外旋筋(深層外旋筋群)

股関節を回す(外旋)メイン筋たちです。ここを使えてると、お尻の奥で回す感覚があります。

 

  • 内ももの筋肉①(内転筋群)

もともとは両脚を閉じる筋肉ですが、股関節を回すのに重要な働きをします。特に5番ポジションで太ももの内側や、かかとを前に出したいときはここがメインです。

ちなみに、この筋肉が硬くなるとターンアウトが制限されます(開けません)。

 

  • 内ももの筋肉②(ハムストリングスの外側)

ここは、もも裏のしかも外側にある筋肉です。正確に言うと内側ではないんですが、ターンアウトしたときに「内側使いなさい」と言われる筋肉の1つです。太ももの外側を後ろに回します。ここがうまく使えないと前ももに力が入ります。

 

  • 腸腰筋

腰の奥にあるインナーマッスルです。ここは↑内転筋が外旋するためのバランスをとっています。ここが硬いと股関節開けません。

ここはケガすることが多い筋肉でもあります。バレエを踊っていて、足の付け根が痛い原因のほとんどはココです。痛めたまま放置してると、階段の上り下り、イスに長く座る、イスから立ち上がるときに、腰や足の付け根が痛くなります。

 

 

これらの筋肉をうまく使えるときれいなターンアウトに近づけることができてケガも防げます。まずはここから意識してレッスンに役立ててください^^

 

 

 

PS.

ターンアウトをしやすくしたいならこちらのコースがお勧め。

踊るのに必要な体の使い方などを指導しながら施術します。

バレエための鍼灸整体