こんにちは、島田です。
今回はグランバットマンで脚が上がらない意外な理由についてシェアしたいと思います。
先日、あるダンサーさんを治療していた時の話です。
「ハムストリングスが硬くてバットマンしづらい…」
というお悩みで治療しました。
坐骨が突っ張っちゃったりとか、膝裏が硬くてピンと張ったりとか...あなたも経験があるかもしれません。
治療に取りかかったわけですが、実際にもも裏に問題があるのか検査してみました。
これはハムストリングスの筋肉に損傷があるかどうかというのは理学的な方法で検査が出来ます。
なので、そこに問題があればすぐに分かります。
実際に調べてみた所...、もも裏、ハムストリングスには問題はありませんでした。
では、何故脚が上がらなかったのかなぁと思い、原因を色々と調べてみました。
技術的な部分とか体の状態とかを確認していきました。
彼女の場合、技術的な問題はあまり無かった(バットマンする時に、こういう風にしなきゃいけないよ)ので体の状態をメインに調べてみました。
そうすると出て来た原因は意外な部分でした。
それは…顎関節、アゴの部分です。
彼女、普段から片方で噛む癖があり、それが原因が体がねじれて しまってハムストリングスが硬い状態になっていたのです。
ここまで聞いてて思ったかも知れないですが、「顎が原因とかあり得ない」と思いませんか?
顎の噛み合わせがハムストリングスの硬さに影響するというのはあまり想像がつかないと思います。
でも、体の構造的な繋がりで考えると割と自然な事だったりするんですね。
それについてシェアしていきます。
顎周りの筋肉や骨の動きというのは肩甲骨や骨盤の外側(腸骨)と連動しています。
実際にどういう風に連動しているかというと、片方で噛んでいくと顎の力によって前にいきます。
要は左でしょっちゅう噛んでたら左側が前にいきます。
肩甲骨も骨盤も左側が前にいきます。
骨がズレるという風によく表現されますが、ちょっと違います。
顎をずっと使っているので筋肉の差が右と左で出ることによって、筋肉に引っ張られて、この場合だと左肩、左骨盤が前にいきます。
つまり...片方で噛み続けた結果、左側が前にいきます。
顎をずっと噛んでると左側が前にいきます...そうすると肩甲骨も前にいって前肩になります。
ここがまた引っ張られて骨盤の外側も前に引っ張られて出っ張っていきます。この状態、こっち側は前にいくので脚を上げやすいです。
特に前のグランバットマンはやりやすいです。後ろは多分やりづらいと思います。
反対側はどうなっているかというと、逆になります。
筋力差によって左が前に引っ張られた分、右が後ろにいきます。
当然、肩もこうなって骨盤も後ろにいきます。左前が半身になった状態で体がねじれた感じになります。
なので、こちら側は脚が上がりにくいです。
これが、今回治療したダンサーさんが起きてる症状でした。
こっち側の方の脚はデフォルトで後ろにあるので、上げようと思ったら途中でひっかかってしまいます。
と、言う事でハムストリングス周りの調整にプラスして顎の調整もしました。
顎の調整をした後に、このねじれをとってからハムストリングスの硬 さをとって上げる事で、こういう問題が全部無くなるので左右のねじれが取れて均等に なって上げやすくなるという事です。
ちなみに、
- 片噛み(片方で物を噛む)
- 片方で脚を組んで座る
- 鞄を肩掛けにする(左右どちらかだけ鞄をかける)
という状態は、どれも今回と同じようなケースになります。
要は掛けてる方が前にいくので、反対が後ろにいきます。
バットマンで脚が上がらない時に、まず技術的な問題があるかもしれないのですが、それ以外で体に問題があるとしたらこういうねじれの部分というのがあるんだなと頭の片隅に入れておいてください。
普段片方で噛んでいないかとか、脚組んで座ってないかとか、バック肩 掛けにしてないかなというのをチェックしてあげるだけでも大分治療のスピードが変わります。
実際治療を受けるか...別に治療を受けなくても良いのですが、
『このねじれがあるというのが分かっている状態で受ける』のと
『技術的な部分とか、ハムストリングスの硬さの部分が問題になるケース』
って全然やりかたが違うので、分かっていると大分楽だと思います。
自分が考えてないような意外な所で歪んでいるかもしれません。
ハムストリングが硬いからストレッチいっぱいしてるけど、全然何か上がらないなぁと思ったら、実はこういう風 に脚組んで座っているのが原因だったとか、そういうことはよくあります。
是非こういうところもチェックして上げて下さい。
このゆがみが取れた状態でハムストリングスをストレッチすると、より効果が上がるはずです。
是非、明日からのレッスンに活かしてもらえれば嬉しいです。
ありがとうございました。