検査で異常がなければ本当に大丈夫?
自覚症状はあるけど
「レントゲンでは異常ありませんね。」
「血液検査ではどこにも異常は見られませんでした。」
と言われた。
こんな経験ありませんか?
鍼灸院にいらっしゃる方はこの経験をしていることが非常に多い。
いわゆる『病気ではないけど、健康でもない』という状態ですね。
東洋医学ではそういう状態を未病(みびょう)といいます。
今回は未病について東洋医学、西洋医学、両面からみてみたいと思います。
病気か健康か、その2択しかないの?
病気やけがで自覚症状のある人は、国民の3人に1人だそうです(平成22年度国民生活基礎調査、有訴率)。
自覚症状があっても検査では異常がないケースもたくさんあります。
その場合、「病気ではないから健康」…というわけでもないですよね。
病気か健康か、の二者択一では測れない部分があります。
東洋医学では、その間にある、病気ではないけど健康でもない状態を未病といいます。
でもこれだとアバウトすぎるので、イラストにしました↓
未病を、東洋医学・西洋医学、両方の視点でみると…
未病を、
・自覚症状あるけど検査は平気(肩こり、冷え性など)
・検査は異常だけど自覚症状なし(高血圧、高脂血症など)
に分けると
病気=自覚症状+検査値異常
健康はどちらもない状態(症状もない、検査で異常もない)です。
※参考文献(健康格差を抑える未病について,福生吉裕)
病気と健康は別ものではありません。
健康⇔未病⇔病気
こんな感じでつながっていて、その間にある段階が未病です。この未病を治すのに大切なこと、それは「自分で治す」という意識です。
予防に勝る治療なし
東洋医学の最高治療は「未病を治す」ことにあります。
すなわち、【病気になる前に未病の段階で治療し、本格的な病気への進行を予防することで健康へと回復させること】を一番大切にしています。
そのためには、施術者の技術や診察能力とあなたが治そうとする意識の両方が必要です。
なぜなら、週1で通うといった場合、
1週間は24時間×7=168時間
1時間の施術で週1回治療院に通っているといっても、1/168にしかなりません。これで全部お任せって難しいです。
・セルフケアなど自分でできることはなるべく自分でやる
・自分ではちょっと厳しいなと思うところはプロに任せる
つらくなってからの施術では、セルフケアで対処できるレベルまでもっていくのに時間がかかります。なるべく治療院に通う回数を減らしたいなら、減らした分、普段からケアする意識が大切です。
まさに、予防に勝る治療なし。未病の段階でなるべく対処していくことが健康を長く維持するコツです。