つらい所に鍼をしてだるい場合
この理由は2つあります。
1.刺激オーバー
2.原因が別にある
1.刺激オーバー
鍼灸は、からだに刺激を与えて、体が治ろうと反応する力を利用する治療方法です。
当院でよく使う例えは虫歯治療です。つらい部分に直接鍼をする場合、
虫歯(つらい所、患部)▶虫歯を削る(患部に鍼をする)▶削った部分を埋める(治癒力による反応)
のような流れで症状が改善されていきます。
このときに鍼の本数が多い、刺激が強いなどのことがあると、その分反応も強くなるのでだるさを感じることがあるのです。この場合、その分回復量も多いのでそれほど心配しなくても大丈夫です。
2.原因が別にある
問題はこちらの場合。
簡単にイメージしてもらうために、手をグッと握って下さい。前腕が硬く張りますよね?
・グッと握っている部分が痛みの原因
・張っている前腕が症状(つらい所)
だとイメージしてください。
つらい所に鍼をするというのは、この硬く張った前腕をゆるめるということ。つまり、別に原因(グッと握る部分)があって、その防御反応として硬くなっているのにそこをゆるめているんですね。
そうすると、体は、これ以上体を壊さないためにますます握る強さを強くしてこれを防ごうとします。(もっと硬くなる)
これが、鍼をしてさらに痛い、もしくはだるいという結果になる理由です。
これは「つらい所に刺して欲しい」というニーズと、治療者による妥協(痛い所刺しておけばいい)から生まれることがあります。
鍼灸師側がきちんと提案せずにただ鍼をしたのなら論外ですが、つらい部分は別にあるのではと提案を受けた場合は、まずはそちらを優先してみるとこういうケースは防げますよ。